川崎教会の創立125周年を記念するオルガンコンサートが開かれ、約65名の方々が高橋友子さんの演奏に聴き入った。アンコールも含めてほぼ1時間、MCなどなしでびっちり演奏してくださった。
周年行事はもとより、川崎に赴任して7年目にして初めて実現したコンサートだった。だいぶ前に子安の教会で演奏会が開かれ、それを聞きに行ったことがあった。その時に、どうして川崎で出来ないのかと思った。以来密かに秘めていた計画がようやく実現したのだった。
礼拝の度にこのオルガンは使われてる。教会でももちろんだが、幼稚園も毎週の礼拝でこのオルガンを使っている。だからだろうか、わたしにはオルガンの音が響くのはとても普通の風景なのだが、ある時小学校PTAの役員会を会議室で行った時に、彼女たちが聞こえてくるオルガンの練習の音にとても驚いていたのを見て、むしろこちらが驚いた。そして、オルガンの音が響くことは決して日常的なことなのではないという、半ば当たり前のことに初めて気づいたのだった。
オルガンはあるけれどもオルガニストがいない教会、あるいはオルガンさえない教会もたくさんある。ヒムプレーヤーという機械を使っているところも。それもまたわたしにとってはとても身近な現実でもある。でも、だからこそ与えられているオルガンとオルガニストに演奏のチャンスをつくり、この音や響きを、そして根底に流れる思想を伝える努力をすることも、与えられている教会の使命の一つなのかもしれない。
「また是非」と大勢の方が声をかけてくださった。「半年ごとにでも」という過激(!)な声援もあった。髙橋さんも「せめて1年に1回程度なら」と前向きに応えてくださった。やれること、やるべきことを、少しずつでも着実に進めていこうと改めて思った。