息子の
高校入学に併せて、引っ越しの荷物と共に新潟を訪れた。
5日が入寮礼拝、6日が入学祝福礼拝。事情があって入寮礼拝には間に合わなかったが、夕食が終わったあたりに到着して、さっそく部屋の先輩が荷物と息子を引き取ってくれた。その夜は雨が降ったようだが入学礼拝当日は朝から気持ちよいお天気で、学校内のさくらがちょうど満開となっていた。
学校は開校時からその学年を回生と呼ぶ。今年の一年生は第49回生。今後将来に亘って彼らはずっと49回生と呼ばれ続ける。礼拝後に親たちはそれぞれのクラスに別れてクラス懇談会を行った。親の自己紹介の中で父が、母が、あるいは両親が同窓生という家族が何組かあった。みんなわたしの後輩たち。わたしは息子とちょうど40年を隔てた9回生なのだ。
40年前の入学の頃を思いだした。学校も確かに様変わりしたが、懐かしい風景がそこここに残っている。この春までは昔々お世話になった先生もお一人在任していたのだ。私学のこれがまさに特権だろう。
入学祝福礼拝で読まれた聖書の箇所も40年前と同じヨハネ15章。「あなたがたがわたしを選んだのではない。わたしがあなたがたを選んだ。」。それは衝撃的だった。自分が学校を選んで受験してここに来たのは間違いないが、それは神の選びだったのだ、と。当時の
太田俊雄校長が語った口調まで思い起こす。
そしてやはり40年前、わたしも自分の引っ越しの荷物を車に積み込んで両親と共にここにやって来たのだ。あの時の高揚感もまた懐かしく、そしてありありと思い起こした。
普段母校のために何もしてはいないし、これからもそのスタンスは変わらないのだが、そのくせ意外な愛校心を充分保っていることに──あまりエラそうにも大きな声でも言えはしないのではあるが──自分で驚いてもいる。