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No.541 0(ゼロ)か100かではなくて

エッセイ「多摩川べりから」
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 「ホリエモンロケット」は残念ながら宇宙空間にとどかなかった。このニュースを聞いて、あぁ…と唸ってしまった。残念だった、本当に残念だったのだ。
 「ホリエモンロケット」とは民間の単独開発ロケットとして初の宇宙空間到達を目指していた宇宙ベンチャー「インターステラテクノロジズ」社のロケット「MOMO」のことだ。創業者があの堀江貴文さん。もとLiveDoor社長で様々話題を振りまいた人。彼の名をもじって「ホリエモン」と呼び、そのままロケットの通称として定着した。MOMOは上空でロケットの状況をモニタリングする飛行データ(テレメトリーというらしい)が途絶えたため、打ち上げから66秒後、地上からのコマンド送信によりエンジンを緊急停止したのだった。
 このニュース、日米の報道の違いがちょっと面白い。日本ではもっぱら「<ホリエモンロケット>打ち上げ失敗か 宇宙への夢かなわず」(毎日新聞)のように「失敗」に力点がある。一方米国メディアは「Japan's first private rocket launch is a partial success」と、「部分的成功」に力点があるのだ。
 一つをもって全部を表すとまでは言えないのだが、やはり日本人的なるもののなかには「100%の成功でないから失敗」「失敗は許されない」という風潮がものすごく強くあると考えさせられた。更に言えば、とても残念なのだが、わたし自身のなかにも「部分的成功」という評価姿勢が全くないという事実にぶち当たり、愕然とさせられたりもする。
 幼稚園は、子どもたちに充分失敗させてあげられる場所でありたい。入園早々「友だち出来た、仲良く出来た」と言いたくなる親心は実に、じつによくわかる。だが、彼らは今まさに社会に出たばかりで、処世術も何も持っていない。だから失敗して、ぶつかって、泣いて、泣かせて、少しずつ世渡りの方法を学ぶ。毎日がpartial success。
 PartialがTotalになる日を夢見て。わたしもまだ夢の途上だ。
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