ようこそ、川崎教会へ

No.523 プレ・フラだぞー

エッセイ「多摩川べりから」
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 年度末の3月31日、たまたま帰宅ラッシュの東海道線に東京駅から川崎駅まで乗り込んだ。新橋で目の前の座席が空いて驚きながら座り、周辺を見渡した。とは言え、多くの人が立ち並んでいて押しくら饅頭状態なので見渡すというほど遠くまでは見えない。目の前に大きなキャリーバッグを持つ二人連れの他はほぼ仕事帰りと見受けられた。
 何が言いたいのか。そう、この日は確か「プレミアム・フライデー」なのだ。
 「プレミアムフライデー」は政府が経団連などと連携して検討してきたもので、月末の金曜日に早めに仕事を切り上げ、夕方から買い物や飲食、旅行などを楽しんでもらうという消費喚起策。2月の最終金曜日が1回目で今回が2回目。しかし3月31日なんて単なる月末じゃなくて年度末、オマケに春の気まぐれ天気が北関東に雪を降らせ、都心部も冷たい雨が降りしきる。19時台の東海道を埋めているのは15時から週末を楽しんだとは思えないお疲れの顔ばかりだった。
 教会の周辺は川崎の繁華街。2月中頃からラチッタデッラの街灯柱には「プレミアムフライデーにプレミアムなクーポン発行中」と表示がある。2月の記念すべき第1回目のプレミアムフライデー、客もひょっとしたらいつもより多かったかも知れないが、ご近所住まいの者が見た目で判断する限り、特筆するほどのことではなかった。そして当然のことながら、繁華街は飲食店のかき入れ時。みんな忙しく働いていた。
 幼稚園の現場でも「今日はプレ・フラだぞー」と園長がかけ声を発しても、職員は通常どおり勤務を続けるだろう。15時に退社することは先ず出来まい。ではいったいこの政策は誰に向けて意味を有することになるのだろうか。せめて国家公務員多数の霞ヶ関で100%実施してみてもらいたいな。財務省や経産省なんかが年度末に率先して。
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