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No.549 衝撃と発見と(おおげさ!)

エッセイ「多摩川べりから」
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 先日お誘いを頂いて小さなコンサートに出かけてきた。「東洋と西洋の響きの出会い」とタイトルの付いた、箏とハープ、そして弦楽四重奏のコンサート。ハープも箏も若い女性の奏者。加わる弦楽四重奏はベテラン奏者。それぞれアンサンブルするステージはとても魅力的だった。
 特に第2部を中心に演奏された箏には衝撃を受けた。メルボルン生まれのマクイーン時田深山さん。17絃の一回り大きな箏を操り低音を力強く響かせながら「主題と変容『風』」を奏でた。それから13絃のよく知っているサイズに移り、本来は尺八と合わせるところを今回ヴィオラとコラボして「風の歌」。尺八の音色に近づけるためヴィオラの千年美菜子さんは苦労されたというが、その苦労故の情景と迫力に満ちたアンサンブルだった。
 「音楽は好きか?」と聞かれたら「大好き」と答えるであろう自分ではあるが、実のところしっかりとしたコンサート形式で「箏」の演奏を聴いたことはこれまで一度もなかったと思う。何かのおりに13絃箏曲を集団で演奏するのを見たかもしれないが、いわゆる「お琴」だったし、そのイメージしかなかった。それが、たった一張だけでこれだけ情景豊かで迫力を持った独奏の出来る楽器だということを今回初めて知らされたのだった。
 思えば、普通に暮らしているわたしが、いわゆる「日本古来の」とか「日本文化の」とか前置きして語られるような事柄や物事に出くわすチャンスはそうそうない。キリスト教の牧師なんていう仕事をしているからなおさらそうなのかもしれないが、せいぜい「和食」とか「祭(それも全く参加しないが)」程度。ひょっとして多くの「日本人」が同じような状況に置かれているのかも知れない。
 もう少し謙虚に、無心に、「日本古来の」「日本文化の」一つひとつに接しても良いかなと思った、秋の夜長だった。
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