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No.550 謙虚さが足りないのね

エッセイ「多摩川べりから」
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 先日「人を育てる」ということについて話題に上った。
 以前幼稚園で職員を確保することが難しくなったときがある。世の中どこででも「待機児童」の数が問題にされ、それを解消する手立てとしてたくさんの「保育所」が新設され、それに伴って「保育士」が不足していると騒がれた頃。幼稚園教諭・保育士養成校には社会福祉法人から大量の求人が寄せられ、ざっくりと青田買いされてしまい、幼稚園が次年度の計画を確定し求人を出す頃には卒業予定の学生がほとんどいないという状況だった。
 よくお世話になっている方にそんな四方山話をしたとき、彼はこう言うのだ。「園長。教職員を育てて良い人材にしよう、なんて考えていない? そんなこと、出来ないよ!」。あんまりあっさり仰るので、反論するより驚いてしまった。ところが、である。彼は続けて「アァ、この人は良いなぁと思う人が現職にもいるでしょう。その友人に声をかけたら良いよ。良い人には良い友人がついているものだから」と。なるほどと唸った。
 我が天敵の読売ジャイアンツは2016シーズンの終わりに約30億円かけてフリーエージェント3人を獲得し大きな話題になった。ただでさえFA枠は少ない市場だが、ほぼ独占状態だったのだ。もちろんその時が初めてではなくかのチームにとっては常套手段なのだが。そして2017シーズンの終わりに、かつて「育成の星」と呼ばれた松本哲也外野手が引退する。象徴的な出来事ではないだろうか。ジャイアンツにしてもやはり、人を育てるということは難しいのかも知れない。財力が豊かなのだから、既に育って他のチームの柱である選手を買い付けた方が簡単なのだろう。
 「人を育てる」ということは、まさに幼少期をあずかる幼稚園の分野である。だが、その幼稚園に携わる「大人」をここで育てようというのは、ひょっとしたらおこがましいのかも知れない。謙虚にならざるを得んなぁ。
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