幼稚園は学校法人(=財団法人)なので中小企業ではないから、仮払い請求を拒否すると、東京電力は福島県内の学校法人に対して文書で回答してきたという。他にも社会福祉法人の老人ホームや医療法人の診療所などに同様の態度を示している
らしい。
原子力損害賠償法では「原子力損害賠償紛争審査会」が損害の範囲を判定する指針を策定することになっていて、4月に出された第一次指針では対象の事業者を「営業被害などを受けた多数の事業者ら」と、広く規定したに留まっている。「中小企業に留める」とはされていないのだ。だから、「中小企業ではない」という判断は東電自身が定めたものということになる。加害者が加害者の決めたルールで被害者かそうでないかを判断することなどあるだろうか。しかも仮払いで。
このことが報道されて後、インターネット上では大きな話題となっている。Twitterでは投稿されるほとんどの意見が東京電力への反発や怒りだ。それはそうだ。先に行われた株主総会の議事運営や、今回の仮払い上の措置など、東京電力の高飛車な姿勢、当事者性の希薄が浮き彫りになるばかり。しかも法律上の独占的地位が認められている以上、管内に居住する者は東電以外から電気を調達することは不可能となれば、わたしたち東電利用者は、とどのつまり「電気料金」という名目で東電を支え続けている者、加害者の一端を担いさせられ続ける、ということではないか。
過度な競争、特に生活保障に関わる分野に競争原理を持ち込むことは暴挙だと思っているが、過度に独占を保護されている思い上がり集団に生存権の一端を与えてしまっている現状も、それはそれで暴挙なのかも知れない。
だが、どれほど叩かれても東電という会社に悔い改めは望めまい。それがなんだか教団の姿勢に重なって見えてしょうがないのだな…。