いわゆる「戦後70年談話」について、有識者懇談会が報告書を提出したという。首相の心情を強く忖度した内容だと時事通信社は報じている。
この国で出世しようと思ったら、自分より上の人間の心情を忖度することは外せない。個人の思いとか意見など、こと出世に関して言えば邪魔なだけだということが、こういう事柄を通してよく見えてくる。
40歳にも満たない国会議員が『「基本的人権の尊重」について。私はこれが日本精神を破壊した「主犯」だと考えているが、この「基本的人権」は、戦前は制限されて当たり前だと考えられていた。』と
宣べる時代。『戦後の日本は新しい「日本国憲法」の思想のもとで、民主主義を疑わず、またその持つ問題点を議論することなく、衆愚政治に陥ることを防ぐシステムもつくらず、ただただ「民意」を「至高の法」としてしまった。』とも言う。平和ボケ。
民主主義や基本的人権を含む日本国憲法の三大原理は天賦のものではない。ましてアメリカが創って与えたものでもない。日本国憲法12条にはこうある。「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。」。つまり民主主義も三大原理も主権者たる「国民」の「不断の努力」によって創りあげられ維持され続けなければならないことを、他ならぬ憲法自体が明記しているのである。
「民意」を「至高の法」としてその上に胡座をかいてきたのは誰か。国民の信託によって選ばれた者がまず第一にこの事に「不断の努力」を払うべきだったのではないのか。国民主権を適当に誤魔化し続けてきた、民意を「主権者の意志」として受け止めることを拒んできた「小選挙区制」以後の政治こそ、まず見直すべきではないか。○○チルドレン/○○ガールなど、ボケの産物。
忖度すべきは一票のうしろに透ける主権者の意志である。総裁や官邸では断じてない。それをしない議員は民意によって落選させるしかないのである。