幼稚園の秋のイヴェントのひとつとして、全園児が参加するお芋掘り遠足を行った。高津区にある三富農園のお世話になり、もう何年も続いている行事だ。
秋晴れの爽やかな空のもと、それぞれお芋を入れる袋とショベルを持って畑に向かう。畝には3株ずつ目印の白線が引いてあり、年少も年長も一人3株分を掘る。
年少組と年中組との境で周りの子どもたちを見る。「掘っていいよ〜」の掛け声が響くが、反応はいまいち。「茎のところを掘るんだよ」と言うと、すぐさま茎を引きちぎってしまった。少し土を掘ってあげると、芋が顔を出す。「さあ、掘って」と声をかけると、今度は何度も何度も顔を出した芋をなでている。土で汚れるのが気になる子どもは、片手の指先だけでちょこんちょこんと芋をつついている。そこで、今度は芋の周りの土を少し掘り出してあげた。立派に太く実った芋が顔を出すと、汚れが気にかかることもなんのその、ようやく芋に手を伸ばし始めた。土の中で根を切っておいて「さぁ、引っ張って」と言うと、芋に手をかけてぐいっと引っ張る。大きな芋が引っこ抜かれた。その頃になると、目を輝かせて次の芋を探して土中に手をつっこみ出した。やれやれである。
3株を掘り終えて、お母さん手作りの袋に芋を入れると、さすがに年少児にはちょっと重い量になった。それでも、自分が掘った芋となると、何としても持ち帰ろうという気持ちが働いて、必至にバスまで運んでいた。
お昼を食べた等々力緑地には、きれいな青空に白い雲が幾筋にもなって横たわっていた。「先生、お空がお芋畑だよ〜」と手をたたいて喜んでいる。心地よい一日だった。