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No.165 きな臭さも利用する

エッセイ「多摩川べりから」
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 どうしてこの時期なのだろう、と、まず最初に思った。  韓国の哨戒船が沈没した。その原因が北朝鮮の魚雷によることが明らかになったのだと。魚雷に書かれていたハングル文字が決め手になったとか。この対応を巡って(と、当初マスコミは言っていたのだが…) クリントン国務長官が3時間だけ来日し、総理と会談したのだとか。  だが、鳩山政権はこと在日米軍問題に関してアメリカから全く信頼を失っていると連日報道されていたのではなかったか。なのに、この期に及んで国務長官自らが、3時間とはいえ来日し直接会談をするとはどういうことか。  国際関係や政治の状況にほとほと嫌気がさしてくると、一つひとつの挙動に対して、当然のように「裏がある」と思えてしまう。善良(?)な国民にそう思わせること自体が、政権としては破綻の表れなのかもしれないが…。それはさておき、この時期の会談は当然身動きとれなくなった普天間移設問題に絡んでいると見るべきだろう。「クリントン国務長官と会談しました。北朝鮮による韓国哨戒艦の沈没事案が起き、日米同盟の重要性は一層増しているとの認識で一致しました。普天間については5月末の決着に向けて日米双方で一層努力します。」と首相自らTwitterで語っている。語るに落ちたとはこのこと。会談の主眼は辺野古への移設を推進する約束をしたということだろう。そのために哨戒船沈没を──つまり犠牲者46人のいのちそのものを──とことん利用したということだろう。  政治とは「命を守る」ことではなかったか。「命を守りたい」と国会演説で十何回も絶叫したのは誰だ。だがその本音は、政権浮揚のために、人のいのちを──他国人(在日も)はもとより──利用し尽くすことにあったわけだ。  他国(敵国)に自国(民)を売る人、その行為をする者を「売国奴」という。考えてみれば戦後この方、日本の政治は売国奴の天下だったのだ。
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