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No.170 幸せになる秘訣

エッセイ「多摩川べりから」
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 児童精神科医の佐々木正美先生が幼稚園の講演会においで下さって、人間関係に悩む現代人の不幸について示唆深いお話をして下さった。  講演の中でとても印象に残った言葉があった。「あなたがもしもし幸福になりたいなら、幸福にしたいと思う人を見つければ良い。簡単でしょう?」。  人は、人との関係の中で生きるように定められている。赤ちゃんはいつの頃からか自分に笑いかける人を見ると自分もほほ笑むようになるのだとか。人が喜ぶ姿を見て自分も嬉しくなる。それは「自分を喜ばせてくれるあなたも喜んでね」というメッセージなのだという。人と人とがかかわりあっているからこそ人生。だがそれがますます難しくなってきている時代を私たちは生きているのだ。そんな社会しか私たちは自分の子どもたちに残せなくなってしまった。赤ちゃんでさえ、人を喜ばせることが自分にとって喜びなのだと知っているのに、相手を喜ばせる以前に自分の喜びの追及が第一となってしまってないか。この国の大きな不幸は、そんなところにあるのだろう。  「お年寄りの原宿」と呼ばれる巣鴨に、地域に根ざした信用金庫がある。この巣鴨信用金庫がおもしろい取り組みをしているとテレビが取り上げた。巣鴨には有名な「とげ抜き地蔵」があり、そこにお参りに集まる大勢のお年寄りのために会議室を開放して、お茶とお煎餅を無料で配って「お休みどころ」を提供しているという。多い時には一日3,000人も利用するとか。そして、月に一度は寄席を開催してみたり、融資先の町工場の商品を集まったお年寄りたちに紹介し展示即売する見本市を開いたりもしているのだとか。理事長が語るに「あなたの喜びがわたしの喜び。利益は後からついてくる」。佐々木先生のお話の直後に、そのお話の実践報告であるかのような番組だった。  振り返って教会と我が身を考えた。それは確かに人の真理なのだ。だとすれば当然、教会の真理でもある。だが、その道は遠く険しい。
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