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No.172 現実逃避

エッセイ「多摩川べりから」
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 牧師室の模様替えに挑んでいる。  どういう訳か、暇な時には動く気が起きないのに、忙しくなると急に部屋の配置が気に入らなくなる。時間がないのに、あるいは待たせている仕事があるのに、それが終わるまで待てない。  全国の牧師の有志が、インターネット初期の頃からパソコン通信やメールリストを使って情報交換をするシステムを作っていた。最近でこそ静かになったが、かつては一日に数百通ものメールがやりとりされるそれはそれは活発なメーリングリストだった。  牧師たちのことだから、土曜日にはさすがに静かになるだろうと思いきや、意に反して土曜日こそが一週間でもっとも活発にメールがやりとりされる曜日だった。そのほとんどが「現実逃避」。日曜の準備に追われながらも、追い詰められればられる程、メールボックスを覗かないではおられない心理が働くらしい。こうして土曜日は遅くまでメールが行き交っていたのだ。  試験前になると部屋を片づけるという仲間もいた。わたしは高校生の時から長く寮生活をしてきたが、寮生の中には必ずそういう習性を示す友人が何人もいた。これも「現実逃避」なのだろう。  社会人になって、「暇なやつには仕事を頼むな」という金言を教えられた。忙しい人ほど、段取りよく仕事をこなし、結果が早く挙がるというらしいのだ。本当のところどんなものなのか比較して試したことはないのだが、言われてみればそんな気もする。確かに段取りよく次々とこなす人は、次々と仕事が待っている。そういうものなのかもしれない。  このページも大抵は土曜日に書いている。ほどよく追い立てられ、追い込まれないと仕上がらない。今日なんか絶対「現実逃避」だ。  ところで模様替え。4年間開けない箱がまだまだある。う〜ん。
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