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No.177 夏休みの大仕事

エッセイ「多摩川べりから」
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 夏休みで少し時間が自由になったので、先月からかかっている部屋の模様替えを進め始めた。今回は保管してある月刊誌をスキャナで読み込み、PDFファイルにする作業だ。  たとえば「月刊 教師の友」をわたしは1982年から2002年に月刊が廃刊になるまで全巻保管してあった。一年分をハードカバーのファイルに綴じ込んで20冊。これをばらしてスキャンする。便利な世の中になったものだ。  ただ、情熱を傾けてきたものだからこそ保管してあるわけで、それを引っ張り出すとどうしても作業が停滞してしまう。グラビアページに懐かしい仲間たちの顔が出てきたり、書いた本人も忘れていた掲載論文にお目にかかったりするからだ。なるべく心を鬼にして作業に集中しようとするのだが…。  月刊教師の友がいよいよ終わるという2002年2月号に編集委員による座談会が掲載されている。歴史を振り返るその座談会の中で、月刊教師の友が取り組んできた特集だけを合本に出来ないか、とか項目を立てて資料になるように残しておきたいという意見が出ていた。残念ながら合本は出なかったし、当時の関係者が教団出版局にもはや在籍していないために資料として残す作業もおそらくは出来ていないだろう。してみるとわたしが今つくっている「教師の友PDF版」は、その願いを一つの形にしていると言えなくもない。単なる「部屋の模様替え」どころではなくなる。かもしれない。  雑誌は雑誌のまま保管しておきたいとは思う。制作する側の苦労も一部は知っているし、何より「手にとってページをたぐる」という動作そのものに大きな意味を感じる。だが、所詮書棚の肥やしは書棚の肥やしに過ぎなかった。データに変換されればこそ、再活用の道も開ける。かもしれない。  こうして書棚2段を占拠した「月刊教師の友」は、約3ギガバイトのPDFデータとしてパソコンに記憶されるものとなった。
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