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No.200 電子版新聞時代に

 日本経済新聞に続いて朝日新聞も、この春には有料電子版を創刊するらしい。2010年は電子書籍元年なのだそうだが、11年には大手新聞社がそれに加担することになり、書籍・雑誌、そして新聞の電子化が加速しそうだ。
 紙媒体の新聞はその発行部数をどんどん落としているらしい。いわゆる「公称発行部数」としては微減なのだが。実際周囲でも紙媒体の新聞は取らず、必要なニュースはネットや携帯或いはテレビで確認するという人が多くなった。ニュースはヘッドラインがわかれば良い、あとはテレビ欄程度で良いとなれば、紙媒体離れも致し方ないのかもしれない。
 わたしは年々、テレビによる報道を「娯楽番組」と捉えるようになっている。その先駆けを果たしたのはテレビ朝日の「ニュースステーション」だったように思う。ただ、あの頃はまだ「その番組である必然」があった。一方的だとの批判もあったかもしれないが、明確な主張があって、その主張がわたしの思いに近かった。だからニュースをショウにした番組であっても受け入れられた。だが今は、どのチャンネルでも出演するコメンティターが同一人物では、「その局」の「その番組」である必然がない。微妙な主張の違いは別に番組を際立たせていない。娯楽としては成り立つのかもしれないが、解説やコメントが論説にならない。つまり、つまらなくなったのだ。
 紙媒体の新聞はそれよりはまだ十分に戦える。それでも、中身よりも付録、折り込み広告やテレビ欄だけが必要とされてしまうならば、そのアドヴァンテージは無意味になってしまう。テレビ以上にタイムリーを売りにできる電子版にかなわなくなるだろう。
 わたしたちは過去例を見ないほど選択の自由が与えられている。それなのに、「報道」という商品の側にどんどん個性が失われていっている。たとえ電子版に取って代わられても新聞である以上、個性に多いに期待したいのだ。