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No.233 利益享受という加害

 「築地銀だこ」というたこ焼きのチェーン店がある。大粒で様々なアイデアたこ焼きが人気の店。裏が取れてはいないのだが、川崎駅西口のラゾーナにある「銀だこ」は一日の売上げトップなのだとか。確かにいつも数人が列を作っているのを見かける。
 その「築地銀だこ」。本社は群馬県桐生市にあるのだが、この11月をめどにその本社を宮城県石巻に移す計画のようだ。3月の震災で死者・行方不明者とも最も多い石巻に本社を移すことで「雇用や納税を通じて復興に貢献したい」ということがその理由だと。なるほど、こういう支援もあるのかと思った。実現するにはまだいくつかハードルがあるだろうと想像するが、是非実現させてほしいと願う。
 一方、放射能への疑いはどんどん深刻になっている。イノシシやシカなど野生動物が増えすぎて様々な害を及ぼしていることと、放射性物質をまき散らすこととがリンクしているというのだ。彼らはエサの放射線量を調べたりはしない。避難勧告に耳を貸すはずもない。食べて、消化し、まき散らす。数が増えたことにさえ対処し切れていないのに、新たな問題が加えられてしまった。もはやなすすべもないのだろうか。
 目に見えず、匂いもせず、自然な状態では存在しないものをつくってしまった奢りが、自然からしっぺ返しされているわけだ。しかも、直接の利益享受者ではない人や物や場所が、まず第一に代理攻撃されているというやりきれなさが常にある。それなのに、被災地のほうが、被災者が、肩身を狭くせざるを得ない。そんな状況が膨らんでいやしないか。
 見えないものだから気をつける。それは大事だが、わたしたちはいつも常に被害者なのではない。原因をつくった側、利益享受者なのだ。その自覚をどれだけ保持できるだろうか。