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No.264 原発推進派の不可解

 テレビ朝日の「報道ステーション」で「原発再稼働 わたしはこう思う」という連続インタビューが放映されている。
 久々に観た木曜日はアルピニストの野口健。彼は大手石油会社の支援を受けて、富士山がゴミのために世界遺産に指定されないのを憂えて清掃活動などに精を出す人だぐらいしか知らなかったが、放送を見て驚いた。登山家というくらいだから少しは達観しているのかと思ったがとんでもない。原発の代わりに火力を動かすとCO2による温暖化が加速するから、地熱発電などの技術が確立するまで今後10年は原発を使おう、エネルギーを輸入に頼る弱点を克服し、腹をくくろう、というキャンペーン。ネット上では批判が噴出しているのでわかったのだが、彼は原子力発電環境整備機構(NUMO)の広報担当で、東電は彼のスポンサーらしい。だとしても、世界の山々を巡ってそこで見聞きし感じたことがあるだろうに、山で磨かれた心が出す結論が、どうしてそういう方向に行くのだろうか。
 原発に携わっている方々には申し訳ないが、原発は「事故が起こったら危険」なのではない。そうではなく「原発は危険」なのだ。そして「もし事故があったら取り返しがつかない」のだ。だから、平時でも危険な原発はとにかくまずせめて止めて(発電を停止したからといって「安全」ではないのが困ったものだが…)、カネも智恵もこれまで原子力にだけ注いできたこともとりあえず止めて、この国の総力でもって危険性の低い発電方式に順次変更すること、その間は火力や水力を使うけれども、やがてそれらも順次交換することがつけられる優先順位ではないのか。「地熱が確立するまで原子力」ではなくて。
 だが、推進したい方々の優先順位はどうしてか逆。だから「結論先にあり」「再稼働ありき」としか思えない。「日本人よ」と括る前に、まず自分が腹を括るところからしか始まらないのだと、今さらながら思った夜だった。