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No.302 大晦日も元旦も…盆も暮れも

エッセイ「多摩川べりから」
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 川崎でも元旦から営業する小売店が増えたように思う。福袋をいくつも抱えた人たちが駅前や地下街に大勢歩いている。  近くのSデパートに年末訪ねてみた。ここは良く通り道としても使わせてもらうので、特段買い物のためでもなく立ち寄ることがある。鮮魚コーナーの品質には定評があるらしい。大晦日には店内が一方通行になるほど大勢の買い物客がいた。レジの店員に聞いてみると、大晦日でも通常通りの営業時間だという。さらに元旦からほぼ通常通り営業するらしい。その元旦、ちょっとした買い物にやはり通らせてもらった。夕方に近い時間、レジの店員さんたちには明らかに疲労の色が見えた。  元日から営業しないと他店との差別化が図れないとか、元日営業の要望が多いとか、周辺も元日から営業しているとか、もちろんそれぞれの会社の戦略によって、消費者である我々には便利になったことである。だが、働く側としては正直つらいものだろうなと、彼女たちの顔を見ながらつい余計なお節介心が出てしまう。もちろんシフトによってどこかで勤務調整はされるのだろうけど、でもその辛そうな(ちょっと不機嫌な)顔は見るに忍びない。  元日は火も水も使わない、というのが江戸以来の風習だったらしい。おせちという、日持ちが良くてそれなりに見栄えもあり語呂も良い料理は、そういう風習から生まれたものだと聞いたことがある。厳しい景気状況の中で、生き馬の目を抜く激しい商戦は必須のことだろうし、回り回って人々の幸福に寄与することも確かにあるだろうから、全くもってお節介で無責任なことではあるのだが、もうちょっと穏やかな盆暮れでもいいのではないか、などとつい思ってしまう。同じ「取り戻す」のなら、その辺も取り戻してもらうわけにはいかないだろうか。  第三次産業がGDPの約70%を占める構造では、無理だよなぁ。
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