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No.310 同窓会の役得

 神学校の同窓会研修会の準備のため大阪に出かけた。これまで、用事で大阪に降り立ったことは数度しかなく、今回のように滞在した経験もあまりなかったので、街の空気に少し新鮮な気持ちをいただいた。「大阪弁の飛び交う住人みんな芸人の街」というイメージが頭に付きまとっていたわけだが、どっこい落ち着いた歴史を感じさせる町でもあった。
 東梅田教会の会議室をお借りして役員会を開いた。東梅田教会は戦火に遭った4つの教会が戦後合同して歩み始めた歴史を持つ。払い下げを受けたカマボコ兵舎がスタートで、現在のビルが4代目の会堂だという。その3代目のビルは阪神・淡路大震災によって使用不能となり、建て替えを余儀なくされた。昨年6月に神戸・長田を訪ね震災後17年の労苦を考えさせられたが、ここもまた方針を転換せざるを得ない経験を積んだ教会だったのだ。
 今回、それとは別に神学校の学報に先に召された四人の牧師たちの追悼記事を同窓会としてまとめる仕事も抱えていた。皆労苦しながらゆだねられた務めに赴いた方たちだった。彼らを偲ぶ文章をお願いした方々も、同じ時代を同じような労苦を重ねて歩んでこられた方たちだった。その文章の行間に様々な思いを感じさせる。ご遺族の皆さんも協力してくださり、大切な遺影を快く貸してくださった。
 その一人、星野勉先生のご遺族がこんな手紙をくださった。「日本がますます露骨に軍事化を強行していくさなかに、その最前線にされている沖縄の島々において、最後まで『教会は教会であることだけを考えていればいい』と話し、沖縄と教会の今後を気にかけておりました」。
 社会の中に、人の中にこそ教会はある。逆ではないのだ。諸先輩の歩みの中にそれは実証されている。まばゆい栄光に包まれてはいないが、弱さの極みに生まれたイエスと同じ地平なのだ。