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No.312 卒園式

エッセイ「多摩川べりから」
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 第63回卒園式は、劇的な天候の下無事に行われ、54名の子どもたちはそれぞれ次のステップへと巣立っていった。  桜の便りが聞かれ出した先週、暖かさの谷間のように水曜日の夜から低温と強風と雨への注意が呼びかけられた。普段頼りにしている天気情報サイトでは「木曜朝には雨が止み午前中は曇り昼頃から晴れる」という予報に全く変化はなかった。しかし夜中まるで台風のように吹き荒れた風は朝方になっても衰えず、その風に乗って時折雨も強く降り付けた。慌てて玄関に100人分を受け入れる傘立ての準備などもした。ところが、卒園生が登園し始める9時20分頃にはその雨が上がり、風も午前中ほとんど心配にならないほど。しかも卒園式が始まって一人ひとりが保育証書を受け取る頃には、礼拝堂の窓越しに春の麗らかな日差しが差し込んでくるまでになった。  何と劇的なお天気だろう。そしてまるでこのお天気はこの卒園生の幼稚園での2〜3年間を象徴的に表しているように思えてならなかった。  この子どもたちが入園願書を提出したときには、「もう受け入れられません」と言うほど多数だった。そこを何とかと、半ばねじ込まれて受け入れざるを得なかった方もいた上に3月ぎりぎりまで問い合わせも引きを切らなかった。また、大概三年の内に転勤などで退園しなければならない子どもも出てくるのだが、この学年は途中入園はあったが途中退園はゼロ。結局ここ数年で最も多い54名の大所帯になった。その分逸話も多数生まれた。そんな一人ひとりの成長を噛みしめながら、壇上で一人ひとりと握手を交わし、証書を手渡す。  たくさん愛されて育った子どもは多少のことが起きても動じない。もちろん未経験なことにチャレンジする緊張感は味わうのだが、それとてもやがて仲間と一緒に乗り越える。そういう力が確かに育っている。  まことに、育てるのは親なのであり、背後にある祈りなのだと実感した。
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