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No.317 葬儀に思う

 木村伸子さんの前夜式と葬儀が川崎教会で行われた。
 赴任して最初の4年間はひとつも葬儀を経験しなかったが、その後藤田泰子さん、古川奈菜さん、原田克己さん、中谷務さんと続き、木村伸子さんで五人目となった。
 葬儀で最も気を遣うのは、「時間」だ。わたしは「悲しみ」を、避けて通るべきもの、できれば遭遇しない方が良いものとは考えない。そうではなく、悲しい出来事に違いはないが、その悲しい出来事自体がその人に再び立ち上がる力を与えてくれるものだと信じているからだ。だが、そうなるためにはある長さを持った時間が必要だ。誰のどんな言葉よりも時間が一番包容力を持ち、癒す力を持つからだ。ところが、愛する者が亡くなると、わたしたちはその悲しみをゆっくり味わう時間を持たせてもらえなくなる。次々とやらねばならない細々としたことが表れ、容赦なく前夜式だ葬儀だ火葬だと次々巡ってくる。その上多くの人々が集まってくることにも気を遣わねばならないのだから、遺族としては悲しむ間もないのが現状かも知れない。
 司式者として、どちらかというと私も遺族を急かす立場にある。だからこそ、できるだけ時間をかけること、ゆっくりゆったりとすすめること、無駄に拘束しないことを心がける。更に、限られた時間ではあってもできるだけ悲しみを十分に悲しむように奨め、その他細々したことは葬儀社や司式者を上手に使うようにとお願いする。幸いといって良いかどうか、川崎では火葬場が混み合って日程をとることが難しく、思わぬ時間が確保できることも多々ある。そういった時こそむしろ悲しみに向かい合うチャンスだ。ご遺族が悲しみにだけ集中できるように、配慮することが可能になるからだ。
 木村伸子さんの葬儀もそんな時間の中進められた。それでも癒されるに十分な時間ではない。だからこそ、主の慰めを祈る。