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No.318 こういう動きもあるのだな

 福島県東部の住民に集団移住を呼びかけている人がいる。
 旧相馬中村藩第34代当主。三月末に家族五人で移り住んだ広島県神石高原町で、文化や郷土愛を継承したいと呼びかけた。神石高原町は全国から就農意欲のある人を受け入れ、農業を活性化させる取り組みを展開中で、そこに既に20〜30家族約100人を紹介し、一部は職探しを始めているという。今回の話しを受けて神石高原版「野馬追」開催を目指すなど、支援を積極的に進め新たな観光振興策も検討するという。3・11から2年以上経て、避難者たちの立場がどんどん悪化し、避難先で苦境に立たされていると先日もニュースで取り上げられていたが、一方にこういった全く新しいチャレンジも始まっているのだ。
 当主の言葉にはなかなかの説得力がある。その昔、関東からの「国替え」で福島へ移った相馬家の歴史を引き合いに、「新しいところへの移住は、自分たちのDNAとして残っている」と。一人で、或いは一家族で新天地に移り住むのは、例えば円満な転居であったとしても精神的な負担が大きい。まして住み慣れた故郷を捨てる、しかもそれを余儀なくされるということは、いったいどれ程大きな痛手であろう。だが、「国替え」という名のいじめが国家単位で行われていた時代、それを逆手に力強く反映を積み重ねてきたDNAが、この極限状態で再び目を醒まし、同じ志を持つ者たちが一緒に行動を起こしたら、それはまた大きな一頁を歴史に刻むことになるかも知れない。
 一方で過疎の進行があり、一方で新しい歩み出しを求める声があり、それをつなぐ今回の当主の働きは、もはや公では及ばないことなのだろうか。震災も原発事故ももはやないかのごとく振る舞う政府に、こういった思考を求めるのは無理だろうか。東電は時効成立をひたすら待つだけの逃亡者で居続けるつもりだろうか。結局両者は何一つ生み出せないのか。