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No.333 「子どもの最善の利益」って?

エッセイ「多摩川べりから」
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 「子ども・子育て支援制度」という新しい法律の枠組みについての3度目の説明会が開かれた。少しずつ詰めが進んでいる様子は良くわかったが、結局いつもの、そして一番最初の問いに巡り着いた。「なぜ」という問いだ。  法律の基本指針にはその第一に「『子どもの最善の利益』が実現される社会を目指す」と謳われている。それは確かに文言として素晴らしい。だが、では何が「最善の利益」なのか、しかも「子どもにとって」なのかは全く明確ではない。枠組みの説明を受ければ受けるほど、この基本指針第一は、後からとってつけたものだという思いが強まった。むしろ膨大な補助金をエサに、まつろわぬ私立幼稚園を国家管理に絡め取ろうというのが、その最も大きな趣旨のような気がしたのだ。  例えば、私立幼稚園はこれまでのまま私学助成を受け続けても良いという。だが、施設型給付に変えれば、子ども一人あたりの保育にかかる経費は国が「公定価格」として提示し、園児の家庭の所得に応じて保育料が定められ、その差額を施設型給付として毎月給付するという。各園が保育料で競い合う必要はなくなるというのが誘いだ。だが、参加者がフロアから指摘した通り、それはつまり私学の独自性の放棄であり、国家管理・国家経営に頼り縋るということではないか。当然私学助成は将来的に不透明になるわけで、まさにまつろわぬ者どもを一掃するのが真の狙いだと言わざるを得ない。  私立学校はそれぞれの建学の精神の下、法の指針とされるまでもなく最初から「子どもの最善の利益」を第一に幼稚園を運営してきたのだ。その視点から行政にも問いを発してきたし、場合によっては国家に対しても否を唱えてきた。しかも毎年「園児募集」によってその姿勢が厳しく評価され続けてきたのだ。その戦いの歴史をまるで無視して単なるサービス業になれという。  大きな岐路に立たされているのは事実。どのように反撃しようか。
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