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No.350 もうむちゃくちゃ

エッセイ「多摩川べりから」
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 従業員が何かやっているようだが、社長には全く分からない。あちこちでなんだか集まっているようだが、まるで報告もないし、報告を求めるだけで露骨にイヤな顔をされ、空気が固まってしまう。もしそういう会社があったら、チョットどころではなくヘンだと思う。大体雇用されている者が雇用している者に業務の進捗状況はおろか内容も全く報告しないなんてどうかしている。そして、こういう形で集まってなんかひそひそ話し合っているようだとしたら、その内容は間違いなくマズいこと、不穏当なことに決まっている。
 そのどう考えてもヘンだろうという状況こそが特定秘密保護法案だ。雇用している者とは主権者である国民。国会議員も国家公務員も、主権者である国民に雇用されている者たちだ。それなのに、雇用する者に対してあらゆることを秘密にするとは、どういうことなのだろう。この欄を執筆している今日は6日。今日中に参議院を通過するという。「特定秘密」なる「特定」が無制限に拡大できるとなれば、使われている者たちのやりたい放題ではないか。
 かつて聖書はごく一部の者しか理解できないラテン語で書かれていた。それが母語で読めるようになって、宗教改革が起こった。秘密にしておけば体制は安泰。自分の権力の保持だけが目的だからこそ、「知らしめない」ための法律を、こうも急いで作ろうというのだろう。いや、もう既に知られてしまってはマズいことをたくさん持っているとしか考えられない。
 しばらくの間隠密理に事を運ぶということは、社会生活上もあり得るだろう。だが法案では最低60年だと。何を考えているのか。ま、彼らにしてみれば高レベル放射性廃棄物だって数万年先までも完全に管理できると宣うわけだから、60年などアッという間かもしれないが…。バカなことを。
 自分がこういう状態でありながら、周辺国の些細なことを逐一持ち出しては笑いものにしているこの国の真の貧困を寒々しく思う。
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