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No.369 子どもだってストレス

エッセイ「多摩川べりから」
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 佐賀県武雄市で、公立小学校の授業に民間学習熟の指導法を取り入れるというニュースが流れた。夕方水仕事をしているさなかでテレビからの音も途切れがちだったのだが、妙に印象に残った。
 協力する「花まる学習会」は、首都圏を中心に大きな声を出したり体を動かしたりしてゲーム感覚で授業を進めることで知られている学習塾だという。その授業の様子が映し出されていたが確かに。大人グループと子どもグループとの対抗戦やゲームで与えられる得点を競う手法で、子どもたちのテンションがめちゃくちゃ高いことが画面から伝わってきた。
 リクルート出身の代田昭久氏を市の教育監に任命した武雄市では、来月から「反転授業」が行われるという。反転授業は、「学校は基礎的な学習の場」、「家庭は復習や発展学習の場」となっていた役割を逆転させ、学校でこそ発展的学習を行おうというものらしい。そのために1億2000万円をかけておよそ3000台のタブレット端末を購入しすべての小学生に配付。家庭ではこれを使って予習し、学校ではより発展的な内容を学ぶのだとか。IT器機に慣れた子どもたちにとって,それこそゲーム機感覚で学ぶのだろう。
 だが、と思うのだ。学習は一面的ではない。テンションが高い方が馴染める教科もたくさんあるが、一方静謐の中でこそ効果を現せる教科もある。学校はそういった空気や活発な人間関係からもたくさんのことを学ぶ場所。週2〜3日、一日二時間程度の学習塾とは決定的に違う。
 子どもたちの気を惹きテンションを上げることはさして難しくない。実習生などがよく犯す間違いだ。だが、子どもを引っ張るのではなく子ども自らがあふれ出させるものこそ「生きる力」。それを引き出すには徹底した受容以外にない。その安心感の中でこそ「育ち」が起こるのだ。
 園児玄関は子どもに課せられているストレスが見える場である。
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