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No.379 いのちを一番に

エッセイ「多摩川べりから」
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 ローラー式マッサージ機で窒息死亡事故が起こったとテレビや新聞が流している。ローラー部分の布カバーを外した状態で使い、衣服が巻き込まれて窒息したらしい。同様の事故が過去にも起こっていたので、メーカーとしては使い方の注意喚起を促してきたが、再び起こってしまったことを受けて、当該商品の使用中止を呼びかけている。様子を見るに、明らかに危険な使い方であって、メーカーとしても想定していないことだったかもしれない。製造物責任法に触れるのかどうかわからないが、命に関わる事態を深く考慮した結果の措置だろうと思った。
 PL法に該当しなくても、現行の民法に基づく瑕疵担保責任、債務不履行責任、不法行為責任などの要件を満たせば、被害者はそれぞれの責任に基づく損害賠償を請求することができる。要件が満たされるためのハードルはあるが、被害者は保護されるべきだというのが法の精神なのだろう。
 それなのに、驚くべき大災害を引き起こし、今もまだ収束せず、新たな問題を次々に生み出す原子力発電には製造者の責任が問われないらしい。事業主体の電力会社も使用責任を問われずに済むらしい。原子力損害の賠償に関する法律(昭和36年6月17日法律第147号)の第一条には「…原子力損害が生じた場合における損害賠償に関する基本的制度を定め、もつて被害者の保護を図り、及び原子力事業の健全な発達に資することを目的とする。」とある。しかも第三条 では「…当該原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、…原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたものであるときは、この限りでない。」と。今回のことは「この限りではない」のだ。
 「いのちを一番に」ということこそ政治の理だと思ってきた。そうであると信じたい。だが…。
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