エキサイトブログ


No.380 驚くべき成長

 6月を送り、幼稚園では新入園児が初登園して3ヶ月を経たことになる。
 春は園長の手も借りたいというので園児玄関に立った。他から見ればまるで人さらいのように、お母さんの側で泣き叫ぶ子どもを引き離す。玄関の中は泣き叫びの大合唱。でもやがて園の大人(園長もチョットは含む)との間に少しずつ信頼関係ができると、喜んで玄関をくぐるようになり、春の風物詩は終わりを告げる。
 ゴールデンウィークを超えると少し後戻りするケースや、それまで気丈に振る舞っていた子が崩れ始めるなどの多少の変化はあるが、子どもたちはしっかりと玄関から自分の部屋へ向かい、出席シールを貼るまでになる。幼稚園での生活のリズムができはじめる。「友だち」などと呼べる程ではないまでも家族でも園の大人でもない、一緒に遊んだり邪魔したりする隣人に目が向く。人と人とが出会う手段は様々。洗練された大人ならばしゃれた会話あたりから始められるが、「自分以外はみんな邪魔」な子どもにとって、それは「ドン」と押すことだったり、「ガリッ」と引っ掻くことだったり、「がぶっ」と噛むことだったりする。そういうトラブルを何度も何度も経てようやく、一緒に遊ぶという方法を見出す。一人で遊ぶのも楽しいが、一緒に遊ぶのも同じように楽しい。叩いたり叩かれたり、泣いたり泣かされたりしながら、そのなに一つも無駄なことはない。そうやって成長してきた。
 大人はたかが3ヶ月でなにを変われよう。成長どころか鈍化、退化だってする。しかし子どもは3ヶ月で成長する。目に見えて成長するのだ。毎年繰り返されることなのだが、毎年驚かされることでもある。
 その子どもたちが、ひょっとしたら殺したり殺されたりするかもしれない。あの日、バカな大人がその道をほくそ笑んで選んでしまった。わたしもその片棒を担いでしまった。なんということだ。