ようこそ、川崎教会へ

No.391 独立機運の波

エッセイ「多摩川べりから」
元のサイトで完全版を読む
 スコットランドがイギリスから分離するのか──、先週はその話題がクローズアップされた。
 2週間ほど前まで、このようなことが行われることをわたしは知らなかった。池上彰さんの番組で取り上げられて「世界が平和に向かって一つになろうとしていることと逆行するような話です」と解説されていたことが気になって覚えていた。だが覚えるまでもなくメディアで次第に大きく取り上げられるようになった。そしてついに19日昼には日本でも結果が明らかになった。分離独立はしない選択。
 この結果を巡って様々な論評があった。当初は反対派が優勢だったが、次第に賛成派が躍進したいきさつなども知った。投票直前にキャメロン首相が反対演説をしたこと、様々な約束をしたことも結果に影響を与えたらしい。
 分離独立とはならなかったが、結果を受けて新たな動きも出始めている。すウェールズも「平等の権利を持っているはずだ」として自治権拡大を求める声をあげ始めたという。これらの動きを受けてイギリスはスコットランドに限らず連合王国すべてに自治権の拡大を認める方針らしい。地方自治が躍進することになったわけだ。池上さんの解説通りだとすればこれはゆゆしき自体なのだろうが、わたしは最初からそうは思えなかった。
 平和とは、すべてが統一されることではないと思う。一つの意思に統一されることはむしろ平和の反対で、あるいは幻想ではないのか。むしろ様々な選択肢を自由に選び出せる状態こそ平和なのではないかと思う。
 今回イギリスが緩やかな連合王国という関係をもう一度構築できるのかどうか。世界各地の──時折わざと「テロ」と同等に扱ったりする──民族自治の波が、これを受けてどう動くのか。独立の可否にかかわらずいずれにせよ世界中に波が立ち始めたという感じがしている。
もっと見る