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No.395 台風に翻弄され

エッセイ「多摩川べりから」
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 18号19号と2週続けて台風がやって来た。結果だけ言えば18号は例によって周辺道路が冠水し幼稚園も教会も玄関に浸水、後片付けに追われたが、スーパーと呼ばれた19号ではほぼ被害がなかった。間にプレイデー(運動会)を挟んでいたので、ひやひやしたのだが。
 神奈川に来て気づいたことがある。それは山口にいたらわからなかったし、東北にいても巧妙に気づかないようにされていたのだと思う。言い方が大げさですみません、台風情報の放送についてです。
 山口は時々台風上陸地になるので常に詳細が放送される。首都圏でも全国放送で各地からの中継を挟みながら、やって来る台風について克明に情報が流れる。ところが一旦首都圏を過ぎると、台風情報はすっかり影が薄くなる。首都圏より先には東北地方もあるのだが…。
 しかし東北地方にいると、首都圏を過ぎたあたりから放送の主体はもっぱら仙台放送局に移る──もちろんNHKの場合だが。そこから東北各地を中継して情報を結ぶので、東北にいたら首都圏の人々がもはや台風情報などに全く関心を失っていることも気づかない。全国の人が東北を気遣ってくれているものと思い込んでしまう。
 ひがみ根性と言われればその通り。喉元過ぎれば熱さを忘れるというのも人間の本性。決して冷たいということではないのもわかっている。だが…。どうしても「白河以北一山百文」の言葉が頭から離れないのだ。
 震災後の復旧がなぜなかなか目立たないのか。復興予算がなぜ別のことに使われて平気なのか。過密な都市ではなく「過疎」の側に問題があるように言われるのはなぜなのか。なぜ、東北にあれだけ原子力施設が持ち込まれたのか。なぜなぜなぜ…。
 今のところいちばん説得力ある答えが「白河以北一山百文」だという深刻。
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