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No.414 心がささくれ立つ

エッセイ「多摩川べりから」
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 日本の相対的貧困率が16.1%と過去最悪になったと聞いた時は衝撃だった。これは日本人の実に6人に1人が相対的貧困層に分類されるということ。オドロキだ。長引くデフレの影響や母子世帯増加で働く母親が非正規雇用であることも原因が大きいとされている。中でもニッポンは富裕層と貧困層の格差が広がっているということらしい。
 堀先生が講演の中で仰っていたが、子どもが荒れるのは決まって長期休暇の後だと。休み中に久々に戻ってきた子どもをあちこち振り回して、結局休みが休まらないまま学校に戻って荒れる、と。幼稚園でも月曜日は比較的荒れる。子どもであればあるだけ、心と体は直結しているのだ。家庭でどのように過ごしているかは、子どもの安定に大きく響く。幼稚園はまだそれなりに高額な保育料を支払うことの出来る家庭で支持されている。それでも6人に1人の例外ではないだろう。まして所得が低ければ優遇される保育園はその波をもろにかぶっているのではないだろうか。貧困や格差という根本原因は保育の現場では如何ともし難い。だがその如何ともし難いことが元で、園内で子どもが荒れてしまったり、心の傷を深めてしまったりするのはやるせないではないか。そうやって確実に、小さい心が痛んでゆくのだ。
 川崎は中学生の少年惨殺事件で揺れている。もとよりグループ内の人間関係が引き起こしたであろうことは想像できたが、それが決定的になった金曜日、学区内の警察署は朝から騒々しかった。
 恐ろしくまたおぞましい事件。だが、それぞれの少年の特異性だけに原因を求めては見誤る。そうしたいのは山々だが(その方が恐ろしいけれどどこか他人事でいられるではないか)、そうではないと心の深くで叫ぶ声がするのだ。このままでは目の前のこの子もあの子も、心がささくれ立ってしまう。そういう社会になったのだ。なんということだろう。
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