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No.416 一山越えて

エッセイ「多摩川べりから」
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 卒園生を送り出して、ひとまず今年度の山は越えた。振り返るとずいぶんいろんなことがあって、混乱状態だった気がする。それでもなんとかここまで来たのだと、少しだけ感慨深く思い起こしている。
 少し前、キリスト教保育連盟の保育部会が主催する保育セミナーに参加した。幼児教育/保育を巡る環境が激変する中で、主に認定こども園で格闘するパネラーや講師の話を興味深く聞いた。正直、ほとんど知らない未知の世界でもあり、できれば関わりたくない状況でもあった。それでも地域で子どもたちのための最善を考えて奮闘・努力していることは良く理解できた。
 その一人が「かなり挑戦的に」と前置きして「全ての子どもは保育施設が育てるべき。認定を受けた家族だけが家庭内保育が出来るというような制度改革が必要。子どもを育てる上で地域は既に崩壊し、家庭ももはや崩壊寸前なのだから」と話された。正直、そこまで言うかと思うのだが、一方で確かに事実はそうなのだと思わされもする。
 敢えて言えば、子育て世代や子育て家庭に限って崩壊しているわけではないだろう。社会全体の格差がもはや臨界に達しているのだ。先進国だとか経済大国だとか名乗ることがもはや滑稽であるような国なのだから。だが、であればなおさら、どのように子育て世代や子育て家庭をサポートしていけるか、行くべきか、考えねばならない。そして都市部では都市部のアプローチがきっとあるに違いない。それを想像しつくり出していくことがひょっとしたら幼児施設が生き残って行く上で一番重要なことになるかも知れない。
 折しも、悲願50年といわれる北陸新幹線が開通した。これが政権与党の言う「地方創世」となるのか、逆に「地方崩壊」の引き金になるのか。地方崩壊は「都市のひとり勝ち」を意味しない。単にスラム化の加速に過ぎないのだから。
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