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No.468 月20万の保育料?

エッセイ「多摩川べりから」
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 保育園をめぐる話題が国会でも取り上げられ、事態はかなり広く認知されるようになったようだ。特に保育士の待遇について、それが他業種より極めて低いことはかなり広く知れ渡った。
 「待機児童」の存在が問題とされ、それを放置している行政責任を問うている時は、そこに保育士の視点は全く出てこなかった。だが、「どうして保育所が増えないのか」を現実問題から問う時初めて、保育士の視点が取り上げられるようになってきた。同時に「保育士」という仕事の専門性にも目が向けられるようになってきた。そして「ただ子どもと遊んでいるだけ」ではないということが、もっともっと広まっていってほしい。
 塩崎厚生労働大臣も猛アピールする。目黒区に住む大臣の息子夫婦も保育園探しに苦慮し、認可保育園に入るまでの4カ月間は区外の認証保育園に月20万円近くかけて通ったそうで、「(『保育園落ちた、日本死ね』という)ブログに賛同する女性たちの気持ちが私にも分かる」と。この答弁を聞いてわたしたち夫婦は顔を見合わせた。子どものために4ヶ月で80万円を支出できる暮らし、しかも偶然とは言え4ヶ月で居住区内に保育園が見つかる境遇、そのどれも、訴えている人々の共感を生むどころか却って反感を買う話しではないか。以前首相が、夫人の「パート労働で月額25万円」と発言し多くの人に呆れられていたのも記憶に新しい。端から違う世界の方々なのだな。
 例えば最も遠い目標は、子育てに専心しても暮らせる世界をつくること。中期の目標は、大人も子どもも共に暮らし共に育つ社会の実現、すべての子どもが施設であれ家庭であれ同じように保育される権利を法的に保障すること。喫緊にはたとえ期限付きであっても子育ての課題に応えることを政策の優先順位の上位に置くこと。それは不可能だろうか。
 道筋を示せない限りは「改善」という言葉は空しいだけだ。
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