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No.471 運も不運も綯い交ぜ

エッセイ「多摩川べりから」
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 幼稚園は卒園式の翌日に終業式を終えて、今は春休み。数年前から、働いているお母さんの支援を目的とする「どんぐりくらぶ」を長期休暇中も開催しているので、春休みだからといって子どもの声が絶えることはない。だが、職員は特別な用事がない限り自由に休むことができ、いつもよりは断然閑散としている。
 わたしはといえば、会計年度末に絡む様々な雑務や、休業中しかできない大がかりな工事の立ち会い、新しくなる教育研究器機備品搬入の立ち会いなどに加え個人的な事情もあってこの春に「休む」ことはほぼ諦めた。が、世の中はむしろそれが当然なのだよな、などと改めて気がついたりもしている。
 気がついたといえば、例年3月に入るといつも注意深く見ているとりでの上のさくらんぼだが、ある日一気に満開になっていた。3月9日の朝、それに気づいた。前日8日がすこぶる良い暖かな日で、花芽が一気に開花となったようだった。10年目にしてはじめて2〜3輪咲いたであろう時を見逃してしまったわけだ。
 これがどうも庭のさくらんぼだけのことではないというのが今年の特徴かも知れない。さくらロードは良く日が当たる場所と全く日の当たらない場所があるのだが、毎年日が当たらないさくらの開花が一番早い。隣のビルがサウナつきカプセルホテルゆえ、その排水のために根っこが他より暖かいのが原因だと睨んでいる。ところが、これまた31日に一斉に満開となったのだ。先週は少し肌寒い日が続いたために、それが幸いして遅れていた木々が遅れを取り戻したようなのだ。その結果横並びの満開。人の目にはまこと美しい。
 この世は、何が災いし何が幸いするのか、人間の浅はかな智恵では計り知れないのだよなぁ、などと改めて思った。人の生涯だってきっと同じ。あんまり簡単に勝ち負けを決めない方が、より正解に近いのかもなぁ。
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