ようこそ、川崎教会へ

No.490 痛ッ、痛ッ、痛ッ

エッセイ「多摩川べりから」
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 9日にちょっとしたことで腰を痛めてしまった。高校生の頃から腰は弱く、その後何回か痛めてきたのだが、今回は久々に痛みが強くて11日から針治療を受けた。防府では教会員に針治療の名医がいて度々お世話になっていたことが懐かしく思い出された。
 痛めてみると良くわかることがある。人が動くという日常のあらゆる行為のほとんどに、腰は関わっているのだということ。痛みがあるからこそその関連が良くわかって面白い。顔をしかめながらではあるが…。
 その11日に、内村航平選手が体操個人総合を逆転で優勝したというニュースが届いた。最後の鉄棒で完璧な演技をこなす映像も見た。「着地は“止める”のではなく“止まる”のだ」と以前本人が語っていたが、その言葉通りピタッと足が地面に吸い付くように止まった。素人目にも「完璧だ!」と思われた。
 ところがメダルセレモニー後の取材エリアで、鉄棒の最中にぎっくり腰になったという衝撃発言があった。「これで良く着地が止まったと思う」と。言われてもう一度鉄棒の演技を見ると、着地の瞬間の顔に痛みの表情が見える気になった。当初は「止める」意気込みから出た表情だと見えたのだが…。
 自分を内村選手と並べるのはとってもとってもおこがましいが、ぎっくり腰はあらゆる体の動きに痛みが伴うのに、そしてつい「痛ッ、痛ッ、痛ッ」と口をついて出てしまうものなのだが、その状態で「良く着地が止まった」と、本人が語っていることに尽きる。日頃の鍛錬のたまものか演技者としての意地か、それは良くわからないのだが、少なくともワタクシよりは遙かに遙かにたくさんの重い事柄を背負い、それに耐えられる精神と体を持ち合わせているのは間違いない。
 夏休みであることを幸いに、何もしないしばらくの時間をお許しいただこうと思う。内村選手も、お大事に!
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