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No.487 1学期を終えて

エッセイ「多摩川べりから」
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 幼稚園は1学期が修了、子どもたちは夏休みに入った。
 今年幼稚園は例年年少組3クラスを2クラスにして部屋を一つつくり、そこを「支援クラス(通称“みかん組”)」とした。大きな集団では不安を感じる子どもや、いわゆる発達に少し遅れがあったり重荷を抱えていたりする子どもを手厚く見守るための決断だった。
 何も手本もなく手探り状態で、子どもたちの状態に合わせてできることを丁寧に、少しゆっくり目で行ってきた。そんな1学期だったのだ。
 ここまでやって来て、例えば園長としては救急車の出動が極端に減った。人と人とのぶつかり合いで起こる怪我がほとんどなくなった(もちろんいわゆる自損事故はあるのだが)。これは支援クラスの状態を一番端的に表しているのではないだろうか。
 これまでも幼稚園は“一人ひとりを大切に”ということをみんなが肝に銘じて保育してきた。その永年の実績が幼稚園の評価を高めてきたのだ。だが、支援クラスを始めてみると、これこそ“一人ひとりを大切に”ということだったと分かる。様々な子どもがこの支援の部屋にやって来る。それまでは幼稚園という大きな集団と、それ以外には母親の元しかなかった。その二つだけでなく、幼稚園の中に、大きな集団とは違う時間や空気が流れている場所を得たのだ。そこで一息ついてまた大きな集団に帰っていったり、その場所があることを安心材料にして朝から新しいことにチャレンジできたりする。誰でもそういう「居場所」が必要だったのだろう。
 子どもは実年齢分プラスマイナスするという。つまり3歳の子どもは0歳から6歳まで、5歳も0歳から10歳までブレるということ。一日の中で何度もそうなのだろう。でもクラスという集団ではそれを受け止めることは難しかった。可能な場所ができたのだ。
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