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No.501 5年7ヶ月、薄らぐ非常感の中で

 石巻市の大川小学校で津波によってなくなったり行方不明になった児童の家族が起こした損害賠償請求訴訟で、26日に判決が出た。判決は学校側の過失責任を認めて児童23人の遺族に総額約14億3千万円を支払うよう市と県に命じた(28日の時点で市は控訴、県も控訴の方針と伝えられている)。
 学校での安心・安全の問題が問われた裁判だった。原告勝訴とは言え、遺族が求めた丁寧な説明は最後まで得られなかったために、記者会見場は勝訴会見とは思えない状況だったとも伝えられる。そうだろう。
 一方で、学校側としてはこの判決が今後に与える影響はとてつもなく大きいと言わざるを得ない。
 大川小学校の校長はあの日たまたま学校にはいなかったらしい。あの日わたしもあの時刻は横浜から帰る途中の車の中だった。安全管理の責任者が不在であることはあり得る。そういう中で何をどうするのかの最終判断が遅れるというリスクは常にあり得るということだ。
 石巻市のハザードマップでは大川小学校まで津波が到達することはないと考えられていた。だから、校庭に避難した児童の次をどうするのか、校長不在の中でなかなか決断が出来なかったということらしい。だが、わたしたちは想定外の事態の中で暮らしている。日本語としては極めてヘンなのだが、常に想定外を想定しなければならない。災害とは常に想定外なのだ。
 となれば、わたしたちはわたしたちの日常の中で、常に大川小学校が直面したような事態に直面することを、そして想定外のことを、想定しながら幼稚園を運営していかなければならないということだ。では出来ることは何か。
 判断のレベルを一つ引き上げること、想定よりもひとつ上をいつも想定すること、簡単に言えば大げさな避難行動をとること。非常事態にはいつも取り越し苦労をすることではないか。後の笑い話ならそれで良しとするという。