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No.505 深刻な事態なのだ

エッセイ「多摩川べりから」
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 たまたま見た深夜のニュース番組で、深刻化するいじめの問題を報道していた。その日、福島から横浜に自主避難して学校でいじめに遭ったという当事者の両親が初めて取材に応じたことから、この特集になったらしい。
 東京都の抱える様々な問題や、オリンピック、米国大統領選挙、韓国大統領の疑惑など、ネタに事欠かない報道バブルの中でも埋もれずに重大ないじめに関わる事件が伝えられてきた。それほど実態が深刻だという現れなのだと思う。だが…。
 10月に発表された文科省調査では、平成26年度に学校が把握したいじめが118,057件、学校数は21,641校(前年度 20,004校)、全学校数に占める割合は56.5%(前年度51.8%)、そのうちいじめの現在の状況で「解消しているもの」の件数の割合は88.7%(前年度88.1%)となっている。
 幼稚園にもそれこそ膨大な「調査依頼」が送られてくる。大体は園長の仕事だが、正直まともに相手などしていられないことが多い。責任感の欠如。公立学校の校長先生や教頭先生はそんなわけはない。文科省調査への回答は至極正直に時間をかけて回答しているものだと思う。となると学校現場ではほぼ90%がいじめを解消したことになる。その中にはいじめ防止対策推進法第28条第1項に規定する重大事態450件(前年度179件)も含まれている。ちなみに第28条第1項とは「いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき。」のことだ。重大事態が前年比140%に膨らんだ中で、本当に90%も解消したのだろうか。文科省自体2006年から「子どもの視点に立ったいじめ調査」を謳っているのだが、それで上がってきたこの数字が単純に心配になる。
 「いままでなんかいも死のうとおもった。でも、しんさいでいっぱい死んだからつらいけどぼくはいきるときめた」。その決意を心から応援したい。
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