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No.521 卒園の季節

エッセイ「多摩川べりから」
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 今年たまたま日程が合って、2つの小学校の卒業式に出た。どちらにも幼稚園の卒園生がいる。街角ですれ違ったらひょっとしてわからないかも知れないほど成長した子どもたち。ゆっくりと舞台の上に向かう一人ひとりを見るとあそこにもここにも園児の頃の面影をたくさん持っている。そんな成長が嬉しい。それだけでなく、この子たちには別の思い入れもある。
 あの日これまで経験したことのないような大きな地震があった。あの時間、卒園前清掃の係をして下さったお母さんたちとその子どもがそろそろ掃除を終えて帰ろうかとしていた。そして預かり保育を利用していた子どもたちだった。幼稚園の建物にはほとんど被害がなかったのは幸いだったが、翌日福島で原子力発電所が爆発し、送電を受けていた東京電力管内の各所は以後「計画停電」が行われ、幼稚園のある地域も時間帯によっては停電になる可能性を持っていた。日本中いろんな事が大混乱を来していたのだ。そういう状態の中で、被災地ではやむを得ないことだったが、川崎でも卒業式・卒園式をどうするかの判断が求められた。頌和幼稚園は当初3月17日(木)を予定していたが、幼稚園と父母の会との協議で19日(土)に延期することを決定した。そして余震に備えた様々な想定した上で、全体の時間をできるかぎりコンパクトに組み直し、なお停電が行われることにも備えて音響や様々な用具の代替え品を用意して臨むことになった。
 そうやって不安と混乱の中で卒園していった第61回卒園生たちがいま、小学校を卒業したのだ。
 卒業式だけに余計、あの日のことあの日以後のことが胸によみがえった。そして、その後も様々な事柄の中でたくさんの経験を積んで、大きく成長した姿が目の前にある。今後も様々なことはある。だが、信じよう。わたしたちみんなの中にはキラキラ輝く宝物が与えられてあるのだ。
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