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No.135 テレビももうちょっと考えてくれよ

エッセイ「多摩川べりから」
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 「男の子が乗ったまま気球が飛ばされた」──アメリカで大騒動となったこの事故が、父と母によるでっち上げだったということで、またまた大騒ぎとなっているらしい。日本では立て続けに起こった芸能人・関係者による麻薬事件の初公判の時期を迎え、連日再び報道が洪水化している。  だけど、なんだかなぁ…と思ってしまうのだが。  目立ちたいために事件を作り上げ、大勢の人に実際被害を与えている事実は大きな問題だ。だが、そのでっち上げられた事件を報道することによってマスコミは利益を上げた。CNNテレビなど、気球を追いかけて2時間以上も生中継したのだし。さらにこれがでっち上げだったということを報道することによって、再び利益を上げることが出来るわけ。となると、被害を受けた人が怒ることはもっともだが、少なくともマスコミは感謝すべきではないか?  女優Sの覚醒剤事件に至っては、当初夫の職務質問の場所から行方不明になった悲劇のヒロインとして間断なく報道し、実は容疑者となったことがわかった時点で手のひらを返したようにバッシングを始めた。悲劇のヒロインを作り上げたのも、希代の悪女を作り上げたのもマスコミ自身だろう。ある時はあたかも一般視聴者を代表し、ある時は警察や判事の代弁者でもあるかのように振る舞う彼らは、決して自らの姿勢は反省しない。それならそれで、この女優にまず感謝の弁でも述べたらどうだろう。  本当はもっと別に伝えることがあるのではないか。テレビがこぞって「覚醒剤」を連呼することがもたらす害悪、報道が振り蒔く様々な悪意の種を、どうやって断つのか。誰が責任を持って断つのか。「自覚しない」では済まされないのではないか。  テレビというメディアが登場して半世紀。技術はまさに革命的に飛躍したが、根本的にはまるで成長していないと思わざるを得ないのだが。
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